芽衣の恋愛論


でも家に帰ると、怖くなった。

今まで彼氏が出来た実感がなかったんだ。


実感が沸いたら急に怖くなった。
不安で心がモヤモヤ黒い雲に覆われていくみたいだった。


『将吾君だから安心できるかなぁって思った』

確かにそう思ったはずだけど。

安心なんてどこにあるんだろう…。

こんなイジイジしてるあたしのことなんかすぐ好きじゃなくなるに決まってる。

もう友達じゃないんだもの。

どうしよう。








翌日、昼休みに将吾君から電話が来た。


「もしもし芽衣ちゃん?」
将吾君のいつもの声。

「あ…はい。」


あたしは不安で上手く声が出ない。


「今夜ご飯食べ行かない?会社まで迎えに行くから。」


「あ、あの今日は残業で遅くなりそうだから、…ちょっと、……。」

やっとの思いでなんとか断った。
残業は嘘だ。

「そっか〜残念。また今度。」


将吾君は電話を切った。


ダメだ。全然普通に出来ない。どうせフラれるなら早くフってくれないかな。

彼氏なんていらない。






< 104 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop