芽衣の恋愛論
「サトルのことだよ。」
直樹さんが言った。
「いや、そんなに気にしないかな。」
あたしが言うと直樹さんは
「ふーん。」
とつまらなさそうに言った。
何でそんなこと言うのかなって思っているとサトル君が来た。
「直樹、またいらないこと言ってんじゃ…」
サトル君が言いかけてるうちに直樹さんは席を移動した。
「大丈夫?」
サトル君は私を見て言った。
何を心配してくれているのかわからなかったけど…
「大丈夫。」
と答えた。
少し酔ってるサトル君は、いつもよりも距離感が近い。
私は端の端に追いやられた。
私の隣は壁で、私は壁とサトル君に挟まれて窮屈な思いをしていた。
「俺、ほんとは芽衣ともっと喋りたい。」
サトル君は目がすわってる。
サトル君の左手が私の右肩に置かれた。
いよいよ近くてたまらずその手を払い除けた。
サトル君を押した。
前を強引にまたいで通り、お手洗いに逃げ込んだ。
あたしが入るとすぐに入って来た人がいた。
何気なく鏡越しに見ると、サトル君のファンの子だった。
サトル君にお酒を注いでいたこだ。
私は振り向いて軽く頭を下げた。
「ねえ待って。」
私はその子に呼び止められた。