芽衣の恋愛論
「ねえ、どういうの観たい?」
「芽衣、好きなの選べよ。俺何でもいいから。」
サトル君はいつになく優しい目をして言った。
あたしはその目に少し見とれてしまった。
「怖いのはやだし。悲しいのもやだな。アリスが観たかったんだけど終わっちゃったんだ。あ、これはどう?泣いちゃうかな…。」
あたしが指差した先にはラブストーリーらしい洋画があった。
「いいよ。」
と言ってサトル君はチケット売り場に向かった。
そしてさっさとチケットを2枚買ってしまった。
「あ、お金。」
なんて言いながらモタモタ財布を出そうとしてると、
「いらないよ。」
とキッパリ言われた。
売店でポップコーンとホットドッグとジュースを買って席についた。
「由宇君が映画館行きたいって言ってた気持ちがわかってきた。始まるまでなんだかドキドキわくわくしちゃう。ね!」
あたしは小声でなるべくサトル君に近づいて話した。
「そうだな。」
機嫌良さそうな返事が返ってきたのでサトル君の顔チラッと見たら笑顔になってた。
あたしは胸を撫で下ろした。
サトル君はあたしといてもちっとも楽しめないかと思ってたから。
そうでもなさそうで良かった。