芽衣の恋愛論
2人の純粋なラブストーリは泣けた。
あたしは映画館を涙を拭きながら出た。
車に乗るころに落ち着いてきた。
「あんな一途な恋もあるんだね。」
素直な感想を述べると、サトル君は呆れたように答えた。
「…恋は一途なもんだろ。」
あたしはなるほどと納得した。
「そっか、そうだよね。あたし、ちゃんと恋したことないんだ。」
あたしがそう言うとサトル君はそれきり黙ってしまった。
でもあたしは別のことを考えていた。