芽衣の恋愛論
私の腕を掴んでる男の腕をさらに掴んだ。
男の手が私の腕から離れた。
助けてくれた人を見たら、
サトル君だった。
「俺の連れなんだけど。」
サトル君が言うと男は舌打ちをしてどっかへ行ってしまった。
あたしはサトル君の後ろに隠れていた。
男がいなくなったのを確認して改めてサトル君を見た。
「助けてくれて、あ、ありがとう…。」
怖かった〜って騒いだりしたいけど、相手がサトルなのでできなかった。
「行こう。」
と言ってサトル君は歩き出した。
「もしかして、迎えにきてくれたの?」
「そうだよ。」
あたしが覗きこんで話しかけてるのにサトル君はこちらを見ようとしない。
そのまま一緒に歩き始めたけど、
会話もなくて。
10分もすると3メートルくらい前にサトル君はいた。