芽衣の恋愛論
家まであと10分の距離がやけに長く感じた。
さっきのナンパの恐怖はどこかへ行ってしまった。
サトル君は由宇君ちには寄らず帰って行った。
悲しいような腹が立つような感情に困惑していた。
(お酒飲んだからかな。)
次の日
休日だったので、
町をぶらぶらしていた。
お昼にお弁当買って由宇君のお店に行った。
サトル君がいるかと思ってドキドキしたけど、いなかった。
「よぉいらっしゃい。昨日どうだった?」
由宇君はレジで書類に目を通していた。
「今日サトル君いないんだね。」
私は何気なしに言うと、由宇君の目は俄然輝き身を乗り出してきた。
「何で。サトルとなんかあったの?」
私は由宇君の意気揚々とした様子をわざと冷めた目で見た。
「何もないです。ちなみに合コンでも何もないです。」