芽衣の恋愛論
「ごめん。」
サトル君は私を追い越すと振り向いてそう言った。
「プレゼントしたかったんだよ。」
「どうしたらいいかわかんないよ。素直に喜べない。」
「何で?何で?プレゼントしたいってどうして?」
サトル君は困ったみたい。
あたしの問いかけに答えることはなかった。
あたしは由宇君の店に戻ることなく由美ちゃんちに直行した。
サトル君のことを話した。
「簡単じゃない!芽衣のこと好きなんじゃないの?」
由美ちゃんの感想はそれだった。
「それはない。嫌われてることはあっても好きってことは絶対ない!」
あたしは真っ向から否定した。
「そしたら面白がってるのかも…。悪気なくからかってるっていうパターンもあるかもな〜。」
「からかってプレゼントするってどういうこと!?」
「だから、相手の反応を見て楽しむ。芽衣が怒ったりするのをみたいとか…。
それか本当にただ純粋にそのワンピースを見て芽衣に着せたかっただけってこともあるかもな。それ似合ってるし。」
由美ちゃんの中では答えが固まったみたいで1人で納得していた。