芽衣の恋愛論


「はい、もしもし?」


4回目のコールの後、芽衣が出た。


「あ、俺だけど。」


「サトル君?どうしたの?」

いつもと変わらない穏やかな芽衣の声。

「いや、別に。用はないんだけど。」


「え〜何それ。アハハ。」

「今何してた?」


「何もしてないよ。お風呂出てぼーっとしてた。」


「俺は曲作ってた。」

「あ、そうなんだ。すごいね。昨日のライブもかっこ良かったよ。」

「そう?ありがとう。また来てよ。」

「もちろん、行く行く。」

他愛もない会話が30分ほど続いた。

俺は嬉しくて切りたくなかったけど時計を見ると11時を過ぎていたので、やむなくさよならした。


でもいつもより素直に話が出来た。

結構いい感じかも。




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