芽衣の恋愛論
マンションから歩いて1分くらいの所に、憩いの場みたいな空間があってベンチが1つだけ置いてある。
小さな花壇と樹木が植えてあるだけの小さな空間。
そこで待つことにした。
9時が過ぎ、10時が過ぎた。
由宇が自転車でマンションに入って行くのが見えた。
俺はそれで由宇んちに戻った。
「芽衣、まだ帰ってないの?」
由宇は自転車を玄関に入れながら驚いた様子。
「じゃあ、将吾さんとご飯かもな。」
眉間にシワを寄せながら言った。
11時頃、ようやく隣に帰ってきた気配を感じられた。
鍵を開けてドアを開けたのがわかった。
「どうする?」
由宇が俺に聞く。
「………。」
どうしたらいいかわからない俺。
「俺行って来ようか。」
「行ってどうする?」
「会いたいんじゃねぇのかよ!」
「会いたかったけど、今将吾さんの名前聞いたら一気にクールダウンした。」
「なんだよ。じゃあ俺行って見てくるよ。」
煮え切らない俺の態度にイライラした様子で出てった。
由宇はすぐ帰ってきた。
「いなかったの?」
って聞きたくなるくらい。
「いや、いた。」