三角形(仮)



マサと別れ、部屋に着いた。


外はすっかり明るく、夏の始まりを感じた。





ふぅー
白煙を外へ出す。


ゆらゆらと揺れる煙を見ながら、今日何故かずさにキスしたのか考える。
深い意味はなく、ただホストとして癒しを提供したまでだと自己防衛をする。
ホストは疑似恋愛をする場所であるが、度が過ぎればお互いに遺恨が残るだけだ。
俺した事は結果的にかずさを傷付ける事になる。
今後はしないようにしようと反省した。


ホストとしての自分の未熟さに気付いた時、いつも龍さんや奏さんの凄さを再確認させられる。




一服した後、シャワーを浴び、客から貰ったワインとシャンパンをワインセラーへ入れる。





それから俺は仕事の事も彼女の事も考えるのが面倒になり、ボクサーパンツ一丁で髪も乾かさずにベッドへ沈んだ。

俺の長い一日が終わった。





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