三角形(仮)



それから俺のアピールが始まったのだ。





自分で言うのもアレだが、俺は世間一般で言う所の『イケメン』という分類に入るらしく、女で困った事は一度もない。

街を歩けば逆ナンされるし、告られた女は軽く50は超える程だ。


だから彼女と出逢う前は女遊びが激しかった。浮気はするし、身体だけの関係の女も多かった。

でも彼女に出逢ってからは、自分でも不思議な程に彼女以外に興味がなくなった。


ツレはそんな俺を見て驚いていた。
だが、一番驚いたのは俺自身だ。




出逢ってから3ヶ月程過ぎた日。
忘れもしない7月13日、俺が告った事をきっかけに、俺らは付き合い始めたのだった。
















そしてあれから2年経った今日。
2年目の記念日。
時刻13:36



俺はかれこれ3時間半程待ちぼうけを喰らっている。






事の始まりは、記念日は2年前を思い出して初々しいデートをしようと俺が提案した事からだった。
その時は、俺の提案に彼女もノリ気だった。





朝10時に駅前に集合し、映画を観て、昼食を食べ、手を繋いで適当に街を練り歩き、ショッピングして、疲れたらカフェで休憩する。
夜は近くのビルで夜景を見る、という何とも王道デートをしようと計画してたのだ。



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