三角形(仮)



「リア言われる前からココが浮気してるとか結構聞いてたし、お前に言われた事が直接原因って訳じゃねぇよ。だからそんな顔するな」


俺はリアの頭を撫でる。


「ほんと?」


少し涙目で上目使いで聞いてくる。


「ほんと、ほんと。それに逆に吹っ切れたっていうか」


リアを安心させるために俺は微笑んだ。
この仕事に就く前から、作り笑いは得意だ。
これでまるく納まるならそれでいい。



だがリアはまだ納得がいってない様子だ。


見兼ねたマサが

「そーそー。こいつ清々しい顔して俺に報告してきたし。だからリアちゃんは心配する必要なし。…それに清、今フリーだからチャンスだよ」


その言葉でリアは再び顔を赤らめた。



一人蚊帳の外のチナツは訳が分からず、「ちょっとー皆して何の話ー?」と言い不機嫌になった事で、マサが説明し始めた。





それを横目に俺はリアに話し掛ける。


「どうするー?フリーだよ俺。狙っちゃう?」


俺は態とリアの耳元で言う。


「狙うわけないし!…何言ってんの?バカじゃん!」

「あ?そんな事言っていいのかー?俺モテるし、早くしないと誰かに取られちゃうよ?」


ニヤニヤした顔で問い詰めてる事が自分でも分かる。


「別にいらないし。どうぞ貰ってやって下さいって感じ!」

「ふーん。俺、今回痛手を負ったから優しい言葉とか掛けてくれたら、コロッと好きになりそうだったのに。」


リアの言葉に、それまでくっ付いていた距離を離しててみる。


「え、」


距離を離すと悲しそうな顔をする。
何て分かり易い女だろう。


「でもリアがいらないっつーなら、ツレに合コンセッティングしてもらうし、そこで見つけようかなー」

「な、………」





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