三角形(仮)



そこへチナツに説明が終わったマサが加わる。


「そうだよ。清を狙ってる女多いし、どっかで別れた噂聞きつけてアピールし出すよ」

「チナツちゃーん。リアがいらないって言うから、良い女紹介してー」


今度はチナツを巻き込んで、リアを苛める。
最早、客とホストの会話ではなくなっている。
ただの居酒屋と化しているホストクラブ。
龍さんや他の客に聞かれたら、怒られることは間違いないだろう。



「いいよー。清人くんだったら、逆に紹介してって言う子多いと思うし。今度合コンやろーよ。もちろん、リア抜きで!」


チナツは『リア抜きで』を強調して言う。
皆リアで遊ぶのが好きなのか、Sの集まりだ。


「俺も参加したい!」

「いいよーマサくんもカッコイイし、皆喜ぶよ」


俺達は、リアを抜いた3人で盛り上がる。

冗談なのか、本気なのか、最早わからない。
だが、いつにしよう、何処でやろうと話し出す。



「ん゛ーー!チェンジ!ボーイさん、チェンジで。この席嫌!」


リアが急に立ち上がり、近くを通ったボーイの腕を掴んだ。

リアの言葉に3人で笑う。


「何だよチェンジって。無理だし」

「そうだよ。リアが素直じゃないからいけないんだよー」

「早く認めろよなー」


マサ、チナツ、俺が攻める。



諦めたのか、リアはボーイを解放し席に戻って来た。


「このSトリオが‥」


リアの呟きは聞こえない振りをする。





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