三角形(仮)



その後俺はリア達の席を離れ、指名を貰った席を転々とし、閉店の時刻となった。









ココと別れてから少しだけ心にポッカリ穴が空いた。


ココの我儘に振り回されるようになってから、俺の中でいつかはこうなるんじゃないかと思っていたからか、若しくは最後があんな別れ方だったからか、想像していたよりも大きな穴ではなかった。








マサと帰るタクシーの中、メールが届いた。

相手はチナツからだった。

内容は『合コン可愛い子集めるから期待していてね。』というもの。






今日はあんな事を言っていたが、すぐに彼女が欲しい訳ではない。


ココと付き合って他の女に興味がなくなったこともあるが、ホストという仕事に就いて、どこか女を冷めた目で見るようになってきたのかもしれない。





何だか自分がどんどん冷めた人間になっていきそうで怖い。




リアは客だ。

ノリとは言え、あんな事は言うべきではなかったのかもしれない。
向こうはホストとしてか、男としてか、判断できないが、多かれ少なかれ俺に好意を抱いている事は分かっているのだから。





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