三角形(仮)
新境地



ココと別れて半月が過ぎた。





そして今日は店の定休日であり、以前冗談半分で言っていたチナツ達との合コンの日でもある。




本当に実行するとは思っていなかった。
ホストが客とこんな事していいのだろうか。
些か疑問は残るが、…まぁ楽しければいいか。







メンバーは俺、マサ、高校のツレで鳶職の太一、大学生の啓吾。
俺らは仕事の関係上、22歳という事で統一させる。



太一は嘘が下手だからバレそうだけど。
俺とマサで巧くフォローしなければならない。






場所は客にバレるといけないので、少し遠出して町田の居酒屋。
俺は今、全国にチェーン展開している居酒屋の個室にいる。


こんな感じの店は久しく行っていなかった。
客に合わせると、どうしても値段と敷居が高め店になるし、最近プライベートで居酒屋に行ったのはココと別れた事をツレに報告した時だけだ。




今年19なのに如何なものか。
若さの欠片もない。








「合コンとか久しいな」


俺は、隣にいるマサに話し掛ける。


「だなー、俺らは。啓吾は大学入って合コンしまくってるらしいけど」

「まぁな。合コンのスペシャリストだから俺。2次会はカラオケな。」

「それお前が歌上手いの自慢するためだろ?卑怯じゃねー?!……つか、俺女の子と話すの久しぶりだわ。ヤべー緊張してきた!」




坊主頭にラインが2本入った髪型にイカつい顔から出たとは思えない、言葉。

太一は仕事柄、女と接触する事はあまりないし、彼女と別れて結構経つようだ。
それに太一はどちらかというと奥手で、ナンパも出来ない。
こういう機会がなければ、女と出会う事もない様だ。






早めに来た男共でガヤガヤ話していたら個室の戸が開いた。






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