完全秘密主義恋愛♥
タクシーから見える京都の下町の方は、とても雰囲気が落ち着いてて、窓からの風が気持ち良かった。
今向かっているのは清水寺。
駐車場からタクシーを降りて歩いている。
坂道の両端にお店がならんで客引きをしている。
「あのーまだ歩くんすかー?」
安藤がテキトーな敬語でタクシーのおじさんに話し掛けた。
温厚そうなおじさんがにこーっと笑って言った。
「もうちょっとだねぇ。若いんだからもう少し頑張りなさい」
へーい、と安藤は口をとんがらして言った。
ナッキーは、安藤の隣を歩いている。
あたしはもう1人の男子、山根 和樹(やまね かずき)の隣を歩いている。
あたしは半ば強引にナッキーを安藤の隣に行かせた。
2人が楽しそうに話しながら歩いているのを後ろから見て、仕事をやり終えたあとのような満足感を感じていた。
違うんだ。
これは恋じゃない。
だって2人が楽しそうで、あたし喜んでるじゃん。