完全秘密主義恋愛♥
層雲
ーーーーー
ーー



窓の外は、さっきの雷を合図にバケツをひっくり返したように激しい雨が横殴りに降っていた。


教室に戻る廊下には外の雨と風の音以外何も聞こえない。


瑆乃のとなりをナッキーが微妙な間をとって歩いている。




廊下に2人の足音が響く。




さっき図書館から出てから、一言も言葉を交わしていない。


なんだか、変に緊張する。


ナッキーから威嚇するような無言の威圧感を感じた。



♪ピンポンパンポーン♪



おおかた今の2人の心境にはそぐわない間の抜けた校内放送のチャイムが鳴った。


《全校生徒に連絡します。本日は台風の影響のため安全を考慮し、午後の授業は中止し、臨時下校とすることが決定しました。昼休みが終了したら、すぐに掃除に取りかかってください。繰り返します。本日はーー》


内心、瑆乃はガッツポーズをした。


やったー!帰れる!


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