恋愛模様


さっきのやり取りから察する通り
莉胡の頭は少しポンコツで……と言ったら良くないんでしょうけど


授業を真面目に受けている割には成績は下の方から数えた方が早いらしいんです


『莉胡の頭はもう治らないんじゃないのー?』


クラスメートの女の子が莉胡に向かって笑いながら話し掛ける


私達の話を聞いていた様です


『うるさいなぁー、これから良くなるんですぅ!!』


『いや、莉胡じゃ無理でしょ』


『無理だね』


次々にクラスから笑い声が沸き起こる


『はい、そこうるさーい!!私がMだからってこれ以上虐めるなー!!』


『Mとか聞いてねぇし』


楽しく話す莉胡を見ていると莉胡がため息をついて私の前の席に座り込んだ


『ったく……あいつらに付き合ってらんない』


疲れたように肩を叩く莉胡を見て私は笑みを漏らす


本当に莉胡は………


『人気者ですねぇ』


『はぁ?虐めじゃね?』


“よく分かんない”と首を傾げる莉胡


虐めではないと思いますけど……


きっと莉胡は相手にされやすいんでしょうね


私は莉胡以外と話す機会が無いので羨ましいです









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