妖魔05~正道~
葉桜丞を消す事を失敗してから、起きた事だといえる。

もし、葉桜丞を消したとして、違う未来が待っていたといえるだろうか。

いや、言えやしない。

葉桜丞を一人消した事だけで、大掛かりな仕掛けが止まるわけがない。

これは、前々から進められていたシナリオだと考えてもおかしくはないだろう。

「大妖魔が相手か。クソ面倒くせえな。おい」

今、目の前にある事実。

それを解消していく事が第一である。

大きな剣は語る事無く、自ら振り上がる。

浮遊能力を持っているらしい。

「妖魔を消すために妖魔を使うか。俺が間違っているのか?」

妖魔という存在が不必要であるならば、大妖魔を使う必要はない。

「魔力は、回復してる」

握り拳を作る。

「刀は誰かに使われるためにある物だ。刀だけで何かが出来ると思うなよ」

刀が振り下ろされる。

「あっち向いてホイ」

指を右に向けると刀が方向転換し、右側に位置する塀を切り裂いた。

これで、外に出られる。

しかし、目の前の刀は追ってくるに違いない。

ならば、ここで決着をつける。

「組織に敵対するような奴がいるなら潰す!改革派としてな!」

例え組織が崩壊しようとも、俺が残っているのならば改革派の意志は存在している。

俺は、改革派の西地区代表者。

大妖魔が次の動作を取る前に、俺は走り出し柄の部分に乗った。

「内包型のコアじゃない事を不幸に思うんだな」
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