妖魔05~正道~
柄の根元まで走ってこうとしたところで、妙なニオイを感じる。

足を止めると、足の甲から刃が突き抜けたのだ。

「ぐ!」

柄から刃が浮き出ている。

この大妖魔は、表面上に刃を浮き出す事が出来るのか。

後少しずれていれば、足の裏から足の根元まで刃が到達していた。

「あっち向いて、ホイ!」

指を下に向け、刃を柄の中に追いやった。

痛いのは確かだが、感けている余裕はない。

余計な口を叩かず、俺は再び進む。

一度見た刃の座標位置は確実に解る。

俺の真下だ。

「ふ!」

前に飛びのくと、背後で刃が飛び出る。

「くだらねえ、実にくだらねえ!」

柄の根元にある大きなコア。

俺は到達している。

刃が足元に到達する前に、俺は両手でコアを引っ張る。

刃の速さと俺がコアを抜く速さ、どちらが速いか。

「寝てろ!永遠になあああ!」

コアを抜き取ると柄を潜っていた刃は停止した。

そして、浮遊していた刃が落ちる。

俺は落ちていく途中で家に飛び移り、事なきを得る。
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