妖魔05~正道~
「ち」

屈み込み、痛む足を見る。

血がにじみ出ているようだ。

「くそ、野郎が」

地面にコアを叩き付け、割る。

巨大な刀が蘇る事は不可能だろう。

「俺を狙う理由は、何だ?」

人間と妖魔が襲ってくる状況。

「人間と妖魔、だと?」

何だ?

今までに、そんな状況があったか?

保守派といえ、人間に加担しているわけではない。

保守派は安全を第一としているだけで、人間と共に歩もうとしているわけではない。

純血を守るという点においては、改革派と同じだ。

改革派は言うまでも無く、人間の敵だ。

ならば、退魔師はどうだ?

退魔師は保守派と同じような考えではあるが、どちらかといえば保守派よりも友好的だ。

ならば、退魔師の仕業か?

いや、それだと、友好的という部分が当てはまらない。

退魔師は暴走妖魔も、戻すために必死になるような組織だ。

「まだまだ、情報が足りない」

今は廃墟から出る事で、情報を得る事が出来る。

俺は、先ほど開いた穴から出るために、家から降りて急ぐ。
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