妖魔05~正道~
アカ・マナフは休業をしているという事か。

しかも、幼少の頃は荒野に住んでいた。

よく生き残れたな。

「まあ、助かったぜ」

「親友のためならば、このナイフを手術のために使っても惜しくはないですよ」

ナイフで手術してたのかよ。

刃が大きすぎて危険だろうに。

それよりも、何を優先するかが問題だな。

クルトがいるのなら、先に仕事の事を言っておくか。

「クルト、ちょっと来い」

「何だよ?」

内職を再会していたが、再び呼ばれた事に不機嫌そうだ。

「早速だが、お前に合った仕事っていうのは、ここにはない」

「何を言ってるだ。オラはあいつらにしっかりと聞いたぞ」

あいつらというのは、イヴァンの部下のことだろうか。

「あったとしても、殺伐としたような仕事しかない。だから、命がいくつあっても足りない」

「オラを子ども扱いするなって言っただろ」

怒ったクルトの両肩を掴み、向き合う。

「俺はお前に助けられた。お前は同等、いや、それ以上の存在だといっていい。そんなお前を子ども扱いするわけがない」

「嘘だ」

「仲間であるお前に嘘をつくメリットがない」

俺の言葉を聞いたクルトは段々と落ち着いてきている。

「お前がグダグダしてるから、オラは自分で探すって決めた」

「そこまで急ぐか。なあ、お前は認めてもらわなくちゃならないっていってたよな?あれは、誰に認められたかったんだ?」

クルトの真相は誰かに認められたい願望にあるといっていい。

その誰かが解らない。
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