妖魔05~正道~
変鎖を解く事が出来たのも、首輪の影響か。

一触即発。

どちらかが少しでも動けば始まる。

「ぐ、そ」

『ギャハハ!こりゃ始まっちまうぞ!お前が駄々をこねるから、あの女達に犠牲が出るだろうよ!』

「ちく、しょう」

何のために、ここまで来たのか。

俺の我が侭で、捕まっていた妖魔達に危険を及ぼさせてしまう。

それに、退魔師の安否が心配だ。

意地を張っている場合か。

「名前は、何ていう?」

『ギャハハ!やっとその気になりやがったか!俺の名前は増長だ!』

「ぐ、あ、そ、その剣の中では、コアが生きる事が出来るか?」

『ギャハハ!特別製だからな!心配ねえ』

「本当だろうな?」

『ギャハハ!殺しは好きだが、嘘は嫌いなんだよ!』

解らない。

だが、やるしかないという事だ。

「美咲、俺を剣のところまで転がしてくれ」

「うん」

皆が止まっている間に、俺は美咲に転がされ、痛みを感じながら剣の元に辿り着く。

「ロベリア、ジャスミン、すまねえ」

『王子様の包む心、私には伝わっています』

『構わないわよ。姉さんに痛みを与えないのならね』

ジャスミンが契約破棄を行い、俺の中からコアが抜け落ちる。

「お前とは、これっきりだからな」

『ギャハハ!いいぜ!ハンスの野郎との縁もあるからな、これが終われば俺を潰しちまえばいい!』

増長は戦いを楽しみたいだけなのだろう。

だが、今の俺にとっては、好都合だった。
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