妖魔05~正道~
「ありがとう、助けてくれるんだな」

「オラはお前に仕事を紹介して欲しいだけだ」

入り口まで歩くと、扉が勝手に開く。

「何だ?」

俺の前に立っているのは、ロベリアだった。

「ロベリア、じゃないな」

妹がロベリアを一人にさせるわけがない。

自分自身の肉体で、戦闘がしやすいように黒皮の繋を着用していた。

「この格好じゃ簡単にわかるでしょうね」

「ロベリアの元にでも連れて行ってくれるのか?」

戦闘を行った後だけあって、自然と身構えてしまう。

「確かに、今の姉さんならあなたを連れて行けば喜ぶでしょうね」

「連れて行くのなら、後にしてくれ」

「姉さんに会いたくないの?」

「今すぐにでも会いたいさ。でも、俺は一度決めたことを曲げない」

俺とクルトは妹の横を通り過ぎようとする。

「ちょっと待って」

妹が俺の前に出てくる。

「何だ?」

「私と契約するってのはどうかな?」

「ロベリアと契約破棄しろとでもいうのか?」

妹が何を企んでいるのか。

今は後にして欲しかった。
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