妖魔05~正道~
一斉に弓がピアノ線にあった場所に降り注ぎます。

更に、こちらに飛んでくる弓をナイフで叩き落しました。

「これはこれは、ちゃんと死地に届けてくれる仕掛けがあるようですね」

楽しませていただきたいところですが野川さんの願いもありますし、短縮ささせていただきますか。

ナイフを構え、辺り一帯に投げつきます。

すると、紫の霧が出てきたり、下方向から槍が出てきたり、天井が落ちてきたりと、最高の仕上がりのようですね。

「さて」

何事もないように、前に進みます。

周りは荒れていますが罠は全て解除されているらしく、歩いても何も起きません。

しかし、背後から何かが転がる音が聞こえてきますね。

「ちょっと、アンタ、何したのよ」

隣には別の道を進んだ野川さんが走ってきています。

「おや、こちらの道にいきたかったんですか?」

「後ろを見ればわかるわよ」

背後を確認すると、廊下と同じ幅の鉄球が転がってきます。

「おやおや、これは人間の生地が出来そうですね」

「のんびりしてる暇ないわよ」

私達は潰されまいと、猛烈に走って前進します。

廊下を進み続けると穴が開いていますね。

急遽、板の橋を生成し、一気に渡ります。

背後から迫る鉄球は、板を折って穴へと落ちていきました。

「いやあ、実に愉快なアスレチックですね」

「え?挽き肉になりたい?」

「最近、スーパに売っている挽き肉は安いと評判なんですよ」

「アンタの家には、挽き肉も買うお金なんてないでしょ」

「おや、解りましたか?」

一円市は近所では見かけないので、残念なところですね。

「進むわよ」

今度は二人して一本道を進んで生きます。
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