妖魔05~正道~
分かれ道までくると、俺とロベリアは別れた。

一人夜道を歩き続け、辿り着いた先には黒服の美咲がいた。

「美咲」

「丞」

美咲が俺の電話番号を知っていたのは、俺が携帯電話を買った後に出会って教えたからだ。

しかし、名前までは教えては居ない。

俺は、美咲が好きだった。

いや、今でも好きなのだろう。

だから、あまり会いたくはなかった。

理由は、何度も言っているので、言う必要はない。

だから、正体も教えたくはなかった。

でも、誰かから伝わる物だ。

「どうした?」

「少し、話さない?」

「ああ」

俺と美咲は、歩き始める。

「丞はどうして、みんなのために動けるの?」

「好きだからさ」

「命をかけるほど?」

「ああ」

命をかけてくれた人のためならば、俺だって命をかけられる。

「体調はどうだ?」

「大丈夫、PTSDの症状は見られないよ」

「強いな」

「保守派だから、そういう訓練を受けてきたんだ」

過去に、美咲が俺に言った言葉。

『『君』はわかってないんだよ。世界がどれだけ残酷か、醜いか』

それは、保守派として訓練を受けた事を言っていたのか。

それとも、今回のような強姦が起きるという事がいいたかったのか。

奇麗事でごまかしていた俺は、理解していなかったんだ。
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