妖魔05~正道~
「私は王子様のための舞うだけです」

「丞の事が好きなんですね」

「お慕いしています」

二人とも大らかなせいか、気まずい空気は発していない。

いや、実は見えないところで火花が散っているのか。

「じゃあ、私は仕事があるから、行くね」

「頑張れよ」

「うん」

美咲は三人を連れて、どこかへと向っていった。

「ロベリア」

「はい」

「何してたんだ?」

「お買い物を」

「そうか」

どうするかな。

何もする事がない以上は、ロベリアに付き合うのもいいだろう。

さっきみたいな事があるのも心配だしな。

「俺も、一緒にいっていいか?」

「はい!」

相変わらず、惚れ惚れする笑顔を見せてくれる。

「それで、何を買おうとしてたんだ?」

「下着を買いたくて」

「そうか」

下着売り場に入るのは恥ずかしい物があるし、女性連れでも嫌がる人もいる。

もし、他の女性客がいれば配慮して下着売り場の外で待っていればいい。

いなければ、行く。

何故なら、俺はロベリアの下着が気になるから!

こんな考えは絶対に言えないんだけどな。

「よし、行くか」

「はい!」
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