妖魔05~正道~
「里で行った調査では、半数以上が行かないと答えている」

「本当かよ」

「私と美咲、他数名で調査を行い、保守派、改革派、まだどちらにも属さない者、全てにおいて統計を取っておいた。彼女の有利になるように進めようといったわけではないが、事実だ」

今の状況を変えるつもりはないか。

事件後は、人間達に対する不信感もある。

「いつの間に、そんな調査をしてたんだ?」

『予め、私が調べて置くように頼んだのよ』

自分の政策を通らせるために、先に手を打っておいたというところか。

「道元、何故、その事を教えなかった?」

改革派の面々が、不信感を抱いている。

「データの改竄をする可能性があったからな」

ならば、道元がデータの改竄を行うというような事は、ないのか。

「丞、大丈夫だよ。私もそういう結果になったから」

「そうか」

俺の考えは筒抜けのようだ。

『だからこそ、強制的にでも行う必要がある』

「住むにしてもお金がかかる、その資金などはどうするつもりだ?」

『こちらで負担するわ。ここで、人間側の退魔師の皆さんの意見が聞きたいところね』

今まで発言をしていなかった退魔師。

「少子化が進んでいる世の中。妖魔と人間など関係なしに、子供が多く出来る事には賛成ですの。でも、そのためにはお金が必要ですわ。子供一人を育てるのにもお金がかかりますのよ。働くにしても不景気。選ばなければあるかもしれませんが、選り好みする人も現れる。そちらの組織が大きいといっても全てを賄おうとすれば、すぐにお金が尽きてしまいますの。そして、むやみやたらにお金を与えたところで、本当に子供のためにお金を使うのかどうか、そういった心配もありますわ」

子供のためになるお金を使う親もいるが、自分のために使う親もいる。

人間、全てが善で出来ているわけではない。
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