妖魔05~正道~
「来る」

退魔師の三人が立ち上がる。

同時に美咲や道元も立ち上がった。

『ふふ、結界を張っても、軽く乗り越えてくるなんてね』

画面の向こう側で一人だけ楽しそうだ。

「王子様、魔境より羽ばたく者が、来る」

誰かが何かを仕掛けてくるってのは、雰囲気だけで分かる。

窓の外を見ると地面から何体もの黒い影が浮き上がってくる。

それは、人の形を成した。

『イヴァン=カナシュート、それが答えよ』

やはり、か。

イヴァンは最後まで動きを見せてこなかった。

準備が整ったのかもしれない。

『狙いは、そうねえ、葉桜君かしら?』

「湊さん、原初の者を知ってるんだな」

『文献を読んだからね』

刃が俺の胸倉を掴む。

「葉桜、テメー、何を知ってやがる?」

「お前の知らない事だよ、ロベリア」

「はい」

俺はロベリアとの合体で白き鎧を着込む。

「美咲、ロベリアの肉体を頼む」

「闘うんだね」

「こいつは、受け継いだもんの戦いだからな」

窓を開ける。

「湊さん、まだ問題が解決したわけじゃない」

『そうね』

「今度の話し合いは、湊さんも出て来てくれよな」

『考えておくわ』

俺は窓から飛び出した。
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