妖魔05~正道~
地上に降り立つ。

周囲には何十もの影。

「気味の悪いもん作りやがって」

『モード:真刀』

刃を作り出す。

敵の中身を読み取るが、何もない。

黒いものが見えるだけだ。

ただ、それが魔力で出来ているという事。

背後から子鉄が飛び降りてくる。

「あんた一人でやるつもり?」

「手伝ってくれんのか?」

「え?肉まんおごり?」

「俺より金持ってると思うんだけどな」

黒い影が動き始める。

青光剣で斬っても、再び同じ形に戻る。

「こりゃ、厄介だぜ」

だからといって、向こうが掴めないという事はないだろう。

何とか避け続ける。

鉄球を投げながらも、回避しているようだ。

「こいつらに攻撃しても、意味がないっつう事か」

本体を探さなければならない。

この能力がイヴァンの物なら、イヴァン自体を見つけなければならないはずだが、イヴァンが使っているという保証はない。

イヴァンのことだから、部下もいるだろう。

しかし、数が多い。

考え事をしていると、腕を捕まれる。

「マジか」

その隙をついて、他の影からも体を掴まれた。

あの時のような掴むだけならまだいい。

しかし、嫌な予感がする。

「子鉄、逃げろ!」

次の瞬間、黒い影が一斉に爆発した。

辺りを巻き込むほどの大爆発だ。

何十もの影が存在していたのだから、当然だろう。
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