妖魔05~正道~
確実に、死んだ。

そう思われたが、違う。

俺はまだ生きていて、子鉄も生きている。

辺りの草木は爆発の被害によってボロボロになっているが、校舎にも被害はない。

そう、俺達は守られたのだ。

校舎を見上げると、美咲が腕を突き出していた。

防壁に魔力を使いすぎたらしく、倒れた。

しかし、不思議な事がある。

イヴァンが装飾品を狙っているというのなら、今の爆発によって壊れてもおかしくはない。

爆発如きでは壊れないと踏んだ方がいいのか。

「すまねえ」

美咲も心配だが、今は犯人を見つけなければならない。

遠距離から操作できるのか。

それとも、近く出なければならないのか。

いや、あれだけの数を操作するのに、遠距離はさすがにきついだろう。

サポート役もいれば、別だろうがな。

即時、最大限に透視を活用する。

次の影が出てこられては、勝ち目がない。

斬れないし、爆発するなんて、危なすぎる能力だろ。

妖魔であり、能力が一致しなければ、止める事が出来ない。

「焦るな」

すると、校門の外辺りの建物の中に妖魔が見える。

能力は、今あったものと同じだ。

今すぐに影を出してないところを見ると、休憩時間が必要のようだ。

「ロベリア!」

『モード:真槍』
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