妖魔05~正道~
「やらせるかよ」

フラつきながらも、立ち上がる。

膝が笑っている。

「丞、お前は寝ていろ。私がやる」

「吟、こいつと戦う事で楽しめるかもしれないだろうな。でも、まだ俺は生きてるぜ」

「なら死ね」

「丞さん!ロベリアさんだよ!」

妖魔が近づいてきた時に、聞き覚えのある声と共に何かが飛んでくる。

俺は受け取り、手の中を見る。

「ロベリア」

コアが光っている。

「お前の力、存分に使わせてもらう」

コアを体内に入れ、白き鎧を全身に纏う。

『王子様、あなたが散る時は私も共に』

「俺が死んだらお前も死ぬというのなら、死ぬわけにはいかないじゃないか」

モードチェンジで、光の刃を作り出す。

「それが、お前の力か」

「ああ、そうだ」

「面倒くせえ野郎だ」

「刃さん?何故、あなたが」

千鶴が驚いている。

目の前の刃という男と知り合いなのか。

千鶴の他にはクルトと摩耶と燕がいる。

「マリア!あんた、何勝手な事、してるねん!」

「摩耶さん」

「マリアは言ったやないか!マリアはマリアにしかなられへん!マリアが欠けたら、子供達がどんな思いすると思ってるねん!」
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