妖魔05~正道~
「二戦連続か」

息が上がっているというのに、動きは速い。

これが、改革派所属の妖魔か。

「面倒くせえ事を言ってるんじゃねえ!」

「折れるつもりなんか甚だねえよな。なら、お前の意思を噛み砕く!」

見定め動きは捉えた。

胸を軽く刃で切り裂く。

「ぐ」

二歩ほどバックステップで下がる。

「刃とか言ったか、俺は死ぬわけにはいかねえんだ」

近づいていくと、刃は後ろを向いた。

何かを仕掛けるつもりか。

「だーるまさんが、転んだ!」

「何!?」

刃が振り向くと同時に、金縛りにあったように動けなくなる。

周囲の人間達も動けなくなっている。

「決着をつけると言った筈だ」

一気に距離を詰め寄ると、手刀を心臓に突き刺そうとする。

『モード:真槍』

ロベリアが背中の片翼だけジェットを噴出すと、俺は回転する。

胸をえぐるように手刀が滑っていくが、心臓を刺される事は免れた。

「ぐ、こいつは、いてえ」

少しすると動けるようになるが、胸元からは血が流れ出る。

だが、目の前の刃は倒れた。

「はあ、はあ、くそ、賭けに負けた」

今のが最後の魔力だったのか。

勝負にかけに来たのだろう。
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