満月の夜に私は彼に囚われる
生誕
「すまん。マリアを守れなかった」


父が俺に始めてまともな言葉をかけたのは、謝罪だった。


この時はじめて父に愛されていたのだと知った。


2日後に産まれた弟と、側室とは言え、正妻のように父に寄り添う義母。


自分と母は見捨てられたのだと思っていた。


「父上、僕はそう簡単に殺されませんよ」


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