俺様彼氏に気をつけて!?

彼女(仮)

ここはとある町のとある高校。

私はそこに通う、高校一年生の篠岡ひな。

身長は155㎝とかなり小さめ。

セミロングの茶髪と、幼い印象を与える丸い目をしている。

勉強や運動は中の中とかなり微妙。唯一得意なのが料理かな。

今はお昼休みで、みんなお弁当を食べている。

購買で買う人達は今頃きっと戦争中だな(笑)

そして私はというと……

黙々と屋上へ続く階段を上っていた。

『ぐうぅぅぅぅ……』

「はあ……お腹すいた」

そう。今日私はなぜかお弁当もお財布も忘れてきてしまったのだ。

教室にいてもみんながおいしそうに食べているのを見ているだけなので、屋上に逃げてきたというわけ。

だってそんなの耐えらんないじゃん!

「もぉ最悪」

私はぶつぶつ言いながら屋上のドアを押した。

……あれ、先客がいる?

顔は見えないけど、そこには男の子が寝ていた。

うーん、どうしよう?

少し迷ったけど、私は気にしない事にした。

だってどうせこの人寝てるし、ちょっと時間つぶすだけだしね。

起こさなきゃ大丈夫でしょ!!

……とは言うものの、こういうのってちょっと気になるよね。

大丈夫、少し顔見るくらいなら……。

そう思って起こさないようにそおっと近づいて顔を覗き込んだ。

「あっ」

うそ……

私、この人知ってる……っていうか超有名人!

成績優秀・容姿端麗でスポーツも出来ちゃうもんだから、学校中の女子の視線を独り占めしている隣のクラスの、

「市瀬千晶!!」

あっヤバッ……つい声に出しちゃった!

慌てて口に手を当てた。

恐る恐る彼を見ると、

「んんっ……」

少し動いたけど、また穏やかな寝息をたてはじめた。
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