俺様彼氏に気をつけて!?
「た、助かったぁ」

私はホッと胸をなでおろした。

と、そのとき……

グイッッ

「!?」

ドサッッ

「キャア!!」

あまりに一瞬のことで、何が起きたのか分からなかった。

でも、これは……

「はぁ!?」

気づくと私は、市瀬千晶の腕の中にいた。

腕を引っ張られて倒れこんだ私を、こいつはしっかりと抱きしめている。

「ちょ、ちょっとッ」

状況が読めずにあたふたしていると、市瀬千晶はゆっくりと瞼を開いた。

「…………」

「……お、おはようございます?」

無言の千晶と、引きつり笑顔でとんちんかんなことを口走る私。

「…………」

「あ、あのぉ?」

「お前、何やってんの?」

!!! こ、こいつっ

「それはこっちのセリフです! 勝手にひとのこと抱きしめといて、あんたこそ何やってんのよ!!!」

バコーンッ!!!!!!

「……はぁ、はぁ」

って、アカーーーーーン!!!!!!

逆ギレしたうえに、思わず顔をグーで殴っちゃったよ!

ど、どどどどどどうしよう!!

「……ってーなー」

殴られた本人は、赤くなった頬を抑えて呟いた。

めっちゃ怒ってるッ!

こ、殺される……とにかく謝んなきゃ!

「ごめんなさいッごめんなさいぃ!!」

あたしは半泣きになりながら、必死に謝った。

「…………」

でもヤツは黙って私を睨んでいるだけ。
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