★ブルーの彼方★





 その時ふと、モヒカン君の所に置かれている、ワックスが目に入った。


「ちょっと、借りていいですか?」



「ああ、いいぜ。



木村、カッコ良くしてもらえよ」



 モヒカン君はそう言って、木村君の肩を叩いた。



「何すんの?」



 不機嫌な木村君の言葉なんか、聞こえないふりをした。



「多分ね、こうした方がいいと思うんだよね!



ここをこうして…」



 ワックスを手のひらに伸ばした。



ほぼ独り言のように、ブツブツと唱え、緊張しながら仏頂面の木村君の髪に触れる。



初めてなんだ!



柔らかくて、さらさらとしてる木村君の髪は、さわり心地がいい。



スタイリングしていくと、すだれみたいだった前髪も、うまい具合に流れてくれた。



毛先に束感を出し、思いっきり動かしてみた。



普段と一緒じや、つまらない。



木村君とは正反対に、髪が今にも踊り出しそうだ♪



不思議と、木村君の表情も、明るく変化していった。



そうなってくると、手入れのされてない、ゲジ眉も整えたくなる。



モヒカン君は、メイク道具一式までも持って来ていたので、アイブローのセットも借りた。
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