★ブルーの彼方★
「とうとう…完璧に…木村君に振られちゃった…」


「そっか…」



 了はまるで、自分が失恋したかのように、悲しい表情をしてた。



どうして、こんなにも了は優しいんだろう。





 それから私は泣きながら、さっきまでの出来事を了に話した。



了はうなずきながら、真剣に聞き入ってくれた。


「夏季なら、大丈夫。



きっと、もっといい奴が現れるはずだから」



 了は私の頭を、そっとなでて言った。



泣いててガチガチに固まってた体がほぐれてく。



 すごく不思議だった。



了といると落ち着く。



「しかし、ヒール高いね〜」



 了は私の持っていた靴を見て、驚いて言った。


「ちょこっとずつ、こういう靴に慣れるように、だんだんヒールのある靴を履いていけばいいんじゃない?



すっごい痛そー」



 了は私の靴を持って、まじまじと見つめた。




「いっつも、スニーカーだからね」



 苦笑いしながら、そう言った。
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