★ブルーの彼方★
「きっと、夏季のお母さん美人なんだろうな」



 了は遠くを見つめ言った。



「普通かな。



それと、ちょっと頼りないけど」



「頼りないって、何か笑える〜」



「この前なんか、庭荒らしにあって、お母さん固まっちゃって。



私が必死に手を引いて、貴重品盗まれてないか、確かめたほど。



時々うちは、親子が逆転するんだよね」



「へぇ」



「ねえ、了のお母さんって、どんな人?」



 その瞬間、了の顔が強張ってしまった。



聞いちゃまずいこと聞いたかな?



「うちも、顔は普通。



専業主婦で、かなり神経質に家事こなしてる」



「いいなぁ。



ちゃんとしてて。



家の中が綺麗で、あったかいご飯があって、いつも家にいてくれて。



そういうのに、憧れる」



「夏季の家は大変なんだ?」



 ちょっと驚いた表情で、了は言った。
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