★ブルーの彼方★
「ありがとう……ございました……



また……お越しください」



 たどたどしく言っている間に、お客は完全に立ち去っている。




間に合っていない。




江利が休憩に行ってる間、代わりにレジを担当し始めた同じ年くらいの男の子の姿を見て、思わず笑っちゃいそうになった。




夏休み初日から入店してきたので、二週間くらいは経ってるけど、ほとんど品出しをしているせいか、慣れない手つきだ。



バーコードを探すのに、相当苦労してる。




短気な客はその姿にいらだち、他のレジへと移動している。




でも、やる気がなさそうというわけでもなく、至って本人は一生懸命な様子だった。




江利が休憩から戻ってくると、長く続いていた列もスムーズに流れるようになった。
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