★ブルーの彼方★





 母の目からは、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。


その涙に、私も一層悲しくなった。



まるで泣きじゃくる子供のような、震える母の肩を抱き寄せた。



二人とも、しゃくりあげながらいつまでも泣いていた。





 いつか、父のような人に出会いたい。



そして、母のような恋をしてみたい。



きっと、ずっと先になるけど。





 父の愛情に包まれるかのように、その晩は朝までぐっすりと眠ることができた。



深く、心地よい眠りだった。
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