神風

「最初と最後は顔出せよ。」


わざわざライが教室まで来た。


そして彰はもういない。


早いなあ。


いつものあたしはあんな感じだったのかな?


授業後は走りたくてたまらなかった。


誰よりも早く教室を出てかばんを置いて着がえると軽く走る。


アップもしないで。


それからトランペット吹くんだ。


誰もいない校庭を駆けるのは気持ちよかった。


「じゃあ、俺はライン引かなきゃいけないから。」


一緒に行かないのか…


足早に行ってしまった彼を眺めながら思う。
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