神風

お母さんと立っていたライ。


お母さんがあっくんの手をひいて部屋から出て行く。


きっとここは病院。


1年前、何度も通った…


「何があった?」


コンクール2日前。


なのに…


この足の痛みは…


「由那に時間をあげましょ。」


黙ってしまったあたしを気遣ったのか飛鳥が言った。


「帰ろう。しばらく歩いちゃダメだから。」


それ以上はライも飛鳥も言わなかった。


いや、きっと言えなかった…
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