神風

「ノン?」


大丈夫?という意味をこめて名前を呼ぶ。


「由那…元樹とケンカしちゃった…」


「見てたよ。どうしたの?」


仲のいい姉弟だったのに。


「これ、あたしがもし死んじゃったら1年後に見てほしいの。」


「受け取らないよ。」


「元樹にも言われた。それでそのあと出て行った。」


彼の言い分も分からなくはない。


「だってノンにはまだやりたいことがあるんじゃないの?だったらこれはここに封印。」


あたしは近くにあった棚に渡された封筒を入れた。
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