神風

「のんっ!」


勢いよく病室に入る。


そこにいたのはノンとその両親。


元樹はいない。


彼女は呼吸器を付けられていた。


「…誰も恨まないで。誰かを信じながら生きて。」


今にも消えそうなかすれた声で彼女は言う。


あたしはそっと耳を傾ける。


力なく笑って


「由那がいて楽しかった。本当にありがとう…」


その後、病室に響いたのはノンのうめき声と電子音だった…


彼女は最後まで戦って、苦しんで、大嫌いだと言っていた機械の音とこの世を去った…
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