神風

でもすぐに走ることだと分かった。


「そんなことないよ。」


嘘をつかせてもらう。


1度決めたことはまげない主義だから。


「嘘だろ?タイム落ちてるのが怖いんだろ?」


図星…


だけど絶対に言わない。


「強がってもいいことないと思うけど。たまには泣いてみるのも悪くないと思う。というかスランプがあるんだ。タイムは落ちて当然。むしろ速くなったら怖い。」


あたしの目を見たまま離さない。


フッと笑った。


「とりあえず一人で抱え込むな、部長さん。分からないことだらけだろ。」


「走ろうかな…」


ボソッと言ったその言葉は彼に届いたみたいだった。
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