秘密のkiss

適当に身なりを整えた私は、皆のいるリビングへ向かった。


「あら。起きたのね」

キッチンにいたお母さんが、私に気づく。


「おはよう」
新聞を広げながら、お父さんも言う。


家族は、もうほとんどご飯を食べ終えていた。


「そうだ、さら。お母さんこの前学校の面談に言ってきたけど、先生、さらのこと心配してたわよ?絵に夢中なのはいいけど、もう少し積極的になれないかって」

お母さんが朝食を用意しながらそう声をかけてきた。


お味噌汁をすすり黙る私。



「本当、姉ちゃんみたいな内気なやつに、あの柊兄が幼なじみだなんて奇跡だね」

珪が勝手に話に割り込んできた。

「うるさい」


「褒めてるんだよ。知ってる?柊兄この前も街でスカウトされていたんだよ。あれは将来絶対大物になるね」


「たしか、柊くんは頭も良いんじゃないのか?」
お父さんが言う。


「スポーツも何だって出来るよ。とにかく、将来有望!そんな人が義兄になるんだ」

うっとりとした顔で、上の空な珪とお父さん。


「そうね、柊くんがいるもんね」
と、お母さんまで言う。


何だか、私はそれが無性にいらいらした。


「言っておくけど、柊とはそんな関係じゃないから」

早々とご飯を食べ終えた私は、そう言いリビングを出た。






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