傷跡


『もういいよ光輝…。もう…別れよう』


『はぁ?なんだよ別れるって』


『光輝とはもう…何を話しても無駄だって分かった。今の光輝を…あたしは変わらず好きでいられる自信がないんだ』


『何言ってんだよ?だったらお前…勇二のとこに行くつもりなのか?そんなの絶対許さねーからな!』




あほらしかった。


別にあたしは…勇二くんの気持ちを知って気持ちが勇二くんに移ったわけじゃない。


勇二くんを好きなわけでもない。

乗り換えるつもりもないのに…。


なんで分からないの?


光輝はどうして分かってくれないの??




『何で分からないの?光輝…ルイみたいな女と毎日毎日話してたから頭おかしくなったんじゃないの?ナンバーワンホスト?聞いてて呆れちゃうよね。ただのちんけなプライドを守るために…つまんないホスト…』


『はぁ?お前っ!!』




あたしが次々と吐き出していくそんな言葉に、光輝は我慢できなくなったのか…

怒りにまみれた顔で、あたしの胸ぐらをつかんできた。





バコン…




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