傷跡



『やってみよう…かな?ナンバーワンになんてなれるかは分からないけど…』


『おー!やろーぜ!俺が完全バックアップしてやるし。そのかわり出勤は最低でも週5は入ってもらうことになるけど』




週5か…


でも光輝との約束は…

もうあたしには関係ないよね。




『うんっ、やってみる!あ…あのさぁ、あたしずっと光輝と住んでたじゃん?だから実家に帰ってもいいんだけど……それだと歌舞伎町から遠くなっちゃうんだよね』


『うーん…じゃあどうする?つーか…マジで光輝と別れる気なの?』


『……うん。なんかね、全部リセットしたいの。本気でナンバーワンも目指したいし』


『そっか…。あ、あの、俺がさっき言ったことは気にすんなよな』


『ん?何を?』


『いや…あの…だから…。好きとか…そんなこと言っちゃったこと』


『あっ…あぁうん…』




思い出すと、少し気まずい雰囲気にはなったけど…


勇二くんには心の中で、本当にありがとうって思ったんだ。






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