傷跡
『あ、俺のツレに不動産会社の専務がいるからさ。実家から通うの大変で一人暮らしとかでマンション借りるなら話しとこうか?初期費用もかなり抑えてくれるだろうし』
そうだなぁ…
確かにそのほうが便利だし仕事上近いほうがラクだし…
『うん。じゃあお願いしよっかな。1ルームとか1Kぐらいでいいし。とりあえず今日は…今から家に戻っているものだけ取りに行って…友達のところに行くよ』
そして――――
マンションに帰ったあたしは、とりあえずすぐ必要な何着かの着替えと化粧道具を持って、高校時代の友達の家に行った。
その友達の名前は真美。
真美は、歌舞伎町の小さなラウンジで働き始めていたことを一ヶ月ほど前ぐらいだったのかな。
あたしにメールで報告してくれてたんだ。